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フロン排出抑制法とは?

フロン排出抑制法の背景

現代の生活に欠かせないエアコンや冷凍冷蔵機器には、フロン類が使用されているものが数多くあります。そのフロン類はオゾン層の破壊や地球温暖化を引き起こす1つの要因となるため、その排出抑制が必要となっています。地球温暖化の原因として例に挙げられるものに二酸化炭素がありますが、フロン類は同量の二酸化炭素と比べて数百倍から数千倍、種類によっては1万倍近くの温室効果があるとされています。これらの機器に使用されるフロン類の排出の抑制やフロン類からノンフロン・低温室効果の冷媒等への転換が重要となっています。

フロン排出抑制法の概要

こうした背景から、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)が、平成27年4月から施行されています。このフロン排出抑制法では、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体を見据えた包括的な対策を含んでおり、各段階の当事者(フロン類の製造業者、指定製品の製造業者、第一種特定製品の管理者など)に国が定める「判断の基準」の遵守を求める等の取組を求める制度となっています。ここでは、第一種特定製品の管理者が実施する内容について詳細に説明をします。

第一種特定製品の管理者の役割

1.第一種特定製品とは

第一種特定製品は、業務用のエアコンディショナー及び冷蔵冷凍機器(冷蔵又は冷凍の機能を有する自動販売機を含む。)であって冷媒としてフロン類が充填されているもの(自動車リサイクル法対象の自動車に搭載されたカーエアコン(第二種特定製品)を除く。)が対象とされています。「業務用の機器」であるかどうかは、使用場所や使用用途ではなく、「その機器が業務用として製造・販売されたかどうか」で判断します。そのため、事務所等で使用されている「家庭用として製造・販売された機器」は第一種特定製品には該当しません。その見分け方として、平成14年4月以降に販売された業務用冷凍空調機器には表示義務があるため、第一種特定製品であること、フロンの種類や量等が記載されています。

表示例(PDF:375KB)

また、第一種特定製品には冷媒としてフロン類が充填されているため、NH3(アンモニア)、CO2(二酸化炭素)、水、空気、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)などフロン類以外を冷媒として使用している業務用冷凍空調機器は、第一種特定製品には該当しません。なお、使用していない機器についても、冷媒としてフロン類が封入されている場合は、対象機器となります。(冷媒を抜いて保管している場合は対象外。)

フロン排出抑制法で対象とするフロン類(PDF:49KB)

2.管理者とは

原則として、第一種特定製品の所有権を有する者(所有者)が管理者となります。ただし、例外として、契約書等の書面において、保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされている場合は、その者が管理者となります。

メンテナンス、定期点検等の管理業務を委託している場合は、当該委託を行うことが保守・修繕責務の遂行であるため、委託元が管理者に当たります。

所有者と使用者のどちらが管理者に当たるか不明確な場合は、当事者間で確認し、どちらが管理者に該当するのかを明確にすることが重要です。

3.第一種特定製品の管理者が取り組む措置

1)管理者の判断基準の遵守(機器の使用時の遵守事項)

機器の点検や修理を行うための作業空間を適切に確保するとともに、機器の種類や大きさに応じ簡易点検や定期点検を行います。また、フロン類が漏えいした時は、漏えい防止の修理を行います。修理を行わずにフロン類を充填することは原則禁止されています。また、点検整備の記録を作成し機器を廃棄するまで保存します。

2)フロン類算定漏えい量の報告(機器の使用時の遵守事項)

1年間(4月1日~翌年3月31日)のフロン類の漏えい量が、事業者全体で1,000t-CO2以上となる場合、管理者は漏えい量を算定した上で国へ報告を行います。詳しくは、環境省のフロン排出抑制法ポータルサイトをご覧ください。「注」下記のリンクから環境省のサイトを開くことができます。

3)整備時のフロン類の充填及び回収の委託(整備発注時の遵守事項)

機器にフロン類を充填または回収する必要がある場合、管理者は「第一種フロン類充填回収業者」に委託します。

4)第一種特定製品の廃棄時の取組(機器の廃棄時の遵守事項)

機器の廃棄等を実施する者は、フロン類を直接「第一種フロン類充填回収業者」に引き渡すか、フロン類の引き渡しを整備業者等に委託し「第一種フロン類充填回収業者」に引き渡す必要があります。

第一種特定製品の簡易点検と定期点検

第一種特定製品の管理者は、簡易点検及び定期点検が義務付けられています。全ての第一種特定製品の機器に対して3ヶ月に1回の簡易点検を実施しなければいけません。また一定規模以上の機器については1年に1回または3年に1回の頻度で専門業者による定期点検を実施しなければいけません。フロン排出抑制法は平成27年4月から施行され、平成30年3月末で3年が経過します。3年に1度の定期点検であれば点検を1度は実施していなければいけないことになります。

この法律はまだまだ周知がされていません。同業者や関係者の方でご存じない方がおりましたら、お伝えいただけるようよろしくお願いいたします。

フロン排出抑制法ポータルサイト

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