第1回大検証!大井川は文化の境界線か!?(令和4年8月21日~12月22日まで実施したアンケート)
かつて、駿河国と遠江国の境界線であった大井川は、明治時代以降も郡の境界となっていました。「越すに越されぬ大井川」と言われ、東海道の難所のひとつであった大井川は、その東と西の言語・文化の違いについて古くから研究されてきました。
土器の出土、雑煮の煮方や方言等、大井川が境界線になるという研究がある一方、江戸時代から明治維新まで続いた川越制度や、渡船のため対岸同士の交流が盛んで境界になり得ないという指摘もあります。むしろ、東西の文化が混ざり合い、交差する場所であったと言います。
そもそも、日本の中央部に位置する静岡県はいったい何地方なのか。ある時は東海、ある時は中部、関東。そんな静岡県のほぼ中央部を流れ、島田市のど真ん中を流れている大井川。果たして、大井川は文化の境界線か、はたまた交差点か、島田市博物館で大検証します!
令和4年8月から「大検証!大井川は文化の境界線か!?」として来館者アンケートを行ってきました。
▼「大検証!大井川は東西文化の境界線か!?」アンケートの様子
これまで行ってきたアンケートの内容は「酢だこを知っているか、知らないか」「おむすびの形はボール型か、三角形か」「行かないと言うか、行かんと言うか」「舌ベロと言うか、舌ベラと言うか」など。来館者は出身地にシールを貼ってアンケートに参加し、上記のような分布図が完成します。
さて、どのような結果が出たのでしょうか?
今回は令和4年8月から4か月実施した第1回大検証!の結果について発表します。
あなたは酢だこを知っていますか?
日本テレビ「秘密のケンミンSHOW」で「酢だこ」を知っている人と知らない人の境界線が大井川だと放送されました。
テレビでは酢だこを知っている人と知らない人がちょうど半分の割合なのが、島田市でした。
あなたは酢だこを知っていますか?
・酢だこを知らない人は東京より西に分布している。
・静岡県内では酢だこを知っている人の方が多い。
・大井川を境にして変化はない。
おにぎり、おむすびの形は?
・西日本に、たわら形、東日本にボール形が分布している。三角形が一番多い。
・静岡県内でも三角形が多い。大井川を境にして変化はない。
何と呼びますか?「おにぎり」?「おむすび」?
・全国的におにぎりと呼ぶ人が多い。
・静岡県でもおにぎりと呼ぶ人が多い。大井川を境に変化はない。
分館日日新聞(PDF 728KB)(別ウインドウで開きます。)
※令和5年2月に発行された新聞であり、イベントなど既に終了しております。