第5回大検証!大井川は文化の境界線か!?(令和6年8月20日~令和7年2月22日まで実施したアンケート)
かつて、駿河国と遠江国の境界線であった大井川は、明治時代以降も郡の境界となっていました。「越すに越されぬ大井川」と言われ、東海道の難所のひとつであった大井川は、その東と西の言語・文化の違いについて古くから研究されてきました。
土器の出土、雑煮の煮方や方言等、大井川が境界線になるという研究がある一方、江戸時代から明治維新まで続いた川越制度や、渡船のため対岸同士の交流が盛んで境界になり得ないという指摘もあります。むしろ、東西の文化が混ざり合い、交差する場所であったと言います。
そもそも、日本の中央部に位置する静岡はいったい何地方なのか、ある時は東海、ある時は中部、関東。そんな静岡のほぼ中央部を流れ、島田市のど真ん中を流れている大井川。果たして、大井川は文化の境界線か、はたまた交差点か、島田市博物館で大検証しています。
今回は令和6年8月から約6か月実施した第5回大検証!の結果について発表します。
あなたの指紋は渦状紋?
・今回のアンケートでは全国でも静岡県内でも指紋の模様に地域差は見られない。
「アホ」「バカ」どちらを使いますか?
・確かに岐阜県不破郡関ケ原町より西に「アホ」を表す青いシールが多く貼られている。近畿、四国地方と中国地方の一部に青いシール、中国地方の一部と九州は「バカ」を表す赤いシールが多くなっている。
・静岡県内は「バカ」と言う人が圧倒的多数である。大井川を境にして変化は見られない。
あなたにとってお茶と言えば?
・地図が緑茶色に染まり、「お茶」と言えば、全国的にも静岡県内でも1位緑茶、2位麦茶、3位紅茶という結果となった。
第5回大検証!大井川は東西文化の境界線か!?結果まとめ
今回の大検証!では、どの検証でも大井川は文化の境界線になっていませんでした。
「あなたの指紋は渦状紋?」という大検証!の前では暑い中、足を止め、目を細め、来館者同士で指を見せ合う姿が多く見られました。「あなたの指紋は渦状紋?」に貼られたシールの数を数えると、593枚ありました。「あなたにとってお茶と言えば?」という大検証!の前では島田市川根出身の方が「どんなに暑くても熱い茶が一番」と笑って教えてくださいました。大勢の方が参加してくださっている大検証!島田市博物館でぜひご参加ください。