第3回大検証!大井川は文化の境界線か!?(令和5年8月20日~令和6年2月22日まで実施したアンケート)
かつて、駿河国と遠江国の境界線であった大井川は、明治時代以降も郡の境界となっていました。「越すに越されぬ大井川」と言われ、東海道の難所のひとつであった大井川は、その東と西の言語・文化の違いについて古くから研究されてきました。
土器の出土、雑煮の煮方や方言等、大井川が境界線になるという研究がある一方、江戸時代から明治維新まで続いた川越制度や、渡船のため対岸同士の交流が盛んで境界になり得ないという指摘もあります。むしろ、東西の文化が混ざり合い、交差する場所であったと言います。
そもそも、日本の中央部に位置する静岡はいったい何地方なのか、ある時は東海、ある時は中部、関東。そんな静岡のほぼ中央部を流れ、島田市のど真ん中を流れている大井川。果たして、大井川は文化の境界線か、はたまた交差点か、島田市博物館で大検証しています。
今回は令和5年8月から約6か月実施した第3回大検証!の結果について発表します。
どっちがねこまんま?
・ご飯に味噌汁をかけたものを「ねこまんま」と呼ぶ人が全国的に多い。
・近畿から東海、関東にかけてはご飯にかつお節と醤油をかけたものを「ねこまんま」と呼ぶ人が多い。
・静岡では赤いシールが約200枚、青いシールが約150枚、緑のシールが約50枚、ご飯にかつお節と醤油をかけたものを「ねこまんま」と呼ぶ人のほうが多い。
・大井川の東と西で変化はない。
「塩辛い」ことはしょっぱい?からい?
・「塩辛い」ことを「しょっぱい」と言う人が全国にいる。
・おおむね静岡以東で「しょっぱい」静岡より西で「からい」となっているが、新潟、長野、山梨、静岡にも「からい」と言う人がいる。
・静岡ではほとんどの人が「しょっぱい」と言う。大井川の東と西で変化はない。
蚊にくわれる?かまれる?さされる?
・蚊に「くわれる」はおおむね東日本、「かまれる」はおおむね西日本で使われているが、九州、中国地方でも「くわれる」は使われている。
・「さされる」という表現は全国で使われている。
・静岡では「くわれる」と「さされる」が使われている。大井川の東と西で変化はない。
分館日日新聞5(PDF 758KB)(別ウインドウで開きます。)